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アノニマスによるオペレーション #OpRussia メモ

2022年2月25日 - hacktivist
アノニマスによるオペレーション #OpRussia メモ

■概要

ロシアのウクライナの侵略に対する抗議として、アノニマスがロシア国営メディアである「Russia Today」のWebサイトやクレムリンといった政府に関連するいくつかのサイトをDDoSによりダウン、もしくはアクセスしづらい状況にしたというニュースが主に海外メディアで報じられています。また、Twitterでも、その実績を報告するツイートが見られる状態であり、OpRussiaに代表されるハッシュタグを付けたツイートも散見されてきました。アノニマスに関しては薄く長く見てきておりますのでこの件に関しても自分なりに把握していることをメモしていきます。

 

■主張

アノニマスは基本的に何かに抗議するときには、オペレーション単位で活動をします。そして、抗議ですから多くの人に知ってもらい、共感を得るためにオペレーション毎にその主張や問題意識、要求を明らかにするGreetingsと呼ばれるものがPastebinやYoutubeなどで公開されることがよくあります。しかし、今回は現時点(2022年02月25日現在)では、そういったものは公開されていないようでしたが、Twitterにてアノニマスのハブアカウントが下図のようなツイートをしていました。

メッセージはいくつかのツイートに分けられており繋げたものが以下になります。

元ツイート 翻訳
#Anonymous is currently involved in operations against the Russian Federation. Our operations are targeting the Russian government. There is an inevitability that the private sector will most likely be affected too. While this account cannot claim to speak for the whole of the Anonymous collective, we can in fact report the truths of Anonymous’ collective actions against the Russian Federation. We want the Russian people to understand that we know it’s hard for them to speak out against their dictator for fear of reprisals.

We, as a collective want only peace in the world. We want a future for all of humanity. So, while people around the globe smash your internet providers to bits, understand that it’s entirely directed at the actions of the Russian government and Putin.

Put yourselves in the shoes of the Ukrainians being bombed right now. Together we can change the world, we can stand up against anything. It is time for the Russian people to stand together and say “NO” to Vladimir Putin’s war.
We are Anonymous.
We are Legion

Expect us.

#Anonymous は現在、ロシア連邦に対する作戦に関与しています。私たちの作戦はロシア政府をターゲットにしています。民間企業も影響を受ける可能性が高いのは必然です。このアカウントはアノニマスの全体を代弁することはできませんが、ロシア連邦に対するアノニマスの集団行動の真実を報告することはできます。 私たちは、ロシアの人々に、彼らが報復を恐れて独裁者に対して発言することが困難であることを知っていると理解してもらいたいと思っています。

私たちは、集団として、世界の平和だけを望んでいます。 全人類のための未来を望んでいるのです。 世界中の人々があなたのインターネットプロバイダーを粉々に破壊している間、それはすべてロシア政府とプーチンの行動に向けられたものであることを理解してください。

今、空爆されているウクライナ人の身になってください。 私たちは一緒に世界を変えることができ、何に対しても立ち向かえる。 今こそ、ロシア国民が一丸となって、プーチンの戦争に「NO」を突きつける時です。
私たちはアノニマスです。
私たちは軍団です

待ち受けなさい。

また、ロシアがウクライナへの進行を開始する前の2022年2月16日に事態を懸念したメッセージが動画でTwitterにアップロードされていました

上図の動画内で語られているメッセージは以下の通りです。

原文 翻訳
Greetings citizens of the world.
We are Anonymous.We are watching closely the current standoff between Russian and Western allies over Ukraine.We call for the creation of a neutral grouping of countries wedged between NATO and Russia, that would include Ukraine.Finland, Belarus, Georgia, Armenia, Azerbaijan, and Moldova.This neutral security belt could serve as an alliance similar to NATO or the Collective Security Treaty Organization(CSTO), a grouping would act as a cordon sanitaire to assuage Russia’s fears without NATO losing its face.We call for a referendum to be held in Ukraine’s Donbass region on its ultimate fate.We recommend the referendum be held on whether to follow a piace protocol or hand over the territories of Donbass to a United Nations peacekeeper aministration.Over time, a referendum could be held on whether the Donbass regions would reunite with Ukraine, with “Northern Irish style status”, become an independent state, or join Russia.As for NATO troops in Bulgaria and Romania, we recommend the notion of reviving, the Treaty on Open Skies to help ensure that troop deployments are a tolerable levels to each other.If tensions continue to worsen in Ulraine, then “we can take hostage… industrial control sysytems.””Sole party to be blamed… if we escalate on thet, will be the same one who started it in the first place with troop buildups, childish threats, and waves of unreasonable ultimatums.”

We also call the UN to immediately deploy peacekeepers on at least the Ukrainian side of the front line in Donbass, under the basis of the UN resolution 337(V) to prevent any further provocations by any side.

We are Anonymous.
We are Legion.
We do not forgive.
we do not forget.

Expect us.

世界市民の皆様へご挨拶申し上げます。
私たちはアノニマスです。私たちは、ウクライナをめぐるロシアと欧米の同盟国のにらみ合いを注視しています。私たちは、NATOとロシアの間に挟まれた国々で、ウクライナを含む中立的なグループの創設を呼びかけます。フィンランド、ベラルーシ、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャン、そしてモルドバです。この中立的な安全保障帯は、NATOや集団安全保障条約機構(CSTO)のような同盟として機能することができます。このグループは、NATOの面目を失わずにロシアの恐怖を和らげるための防疫線として作用するでしょう。我々は、ウクライナのドンバス地域の最終的な運命について住民投票を実施することを求める。平和協定に従うか、ドンバスの領土を国連平和維持軍に引き渡すかを問う住民投票を実施することを提案する。時間をかけて、ドンバス地域が「北アイルランドの地位」でウクライナと再統一するか、独立国家となるか、ロシアに加わるかを問う住民投票が行われる可能性があります。ブルガリアとルーマニアのNATO軍については、オープンスカイ条約を復活させ、お互いの軍隊の配置が許容範囲内になるようにすることを提案する。ウクライナの緊張が続くようであれば、「産業制御システムを人質に取ることができる」。”非難されるべきは… 軍備増強と幼稚な脅しで理不尽な最後通告をした最初の人間と同じである”

我々はまた、国連が、少なくともドンバスの前線のウクライナ側に、国連決議337(V)に基づき、いかなる側からのこれ以上の挑発を防ぐために、直ちに平和維持軍を配備することを求める。

私たちはアノニマスである。
我々は軍団である。
私たちは許さない。
我々は忘れない。

我々に期待せよ。

少し翻訳に怪しいとこがあるかとは思いますがこちらのメッセージと前述のツイートを合わせて読むことでより主張や要求が理解できるように思います。

 

■攻撃実績に関する主張

Twitterで私が2022年02月25日21:00現在、確認できたアノニマスが攻撃を行ったと主張しているものは以下の通りです。以下は、関連Twitterアカウントのツイートから出張を抜粋し転記したに過ぎません。そもそもダウンしたのか、どれくらいダウンしたのかといった事実については確認が取れていないことに注意してください。また、ロシアが国外アクセスを遮断している(418を返す)ことによりアクセスできないことをダウンと主張している可能性もありますのでこちらも注意が必要です。

(D)DoSによるダウンが主張されていたサイト
項番 サイト名 URL
D001 Websites of the Kremlin https://kremlin.ru/
D002 The Russian Government https://government.ru/
D003 The Russian defense ministry https://mil.ru/
D004 Com2Com https://com2com.ru
D005 PTT-Teleport Moscow https://ppt.ru/
D006 Relcom Group https://relcom.org/
D007 SOVAM TELEPORT https://sovam.com/
D008 Russia Today https://www.rt.com/
D009 Gazprom https://www.gazprom.com/

 

■ターゲットリスト

現在のところ確認されておりません。

 

■コメント

このオペレーションが今後どのような展開をしていくか現時点では予想がつきません。しかし、世界的に大きな事象であり、注目の集まる事案であることには変わりありません。インターネットの世界では物理的には1人であったとしても、ボットネットのように膨大なリソースを動かすようなことが可能です。脆弱性を利用すれば1人が組織や国家に大きなダメージを与えることも可能でしょう。ただし、一方で有名なサイトがダウンしたからといってその力は大きなものとも限りません。力が大きいのではなく、サイト側スペックが低かったということも考えられるため、冷静な目を持つことも必要であると感じています。いずれにせよ、ほんの小さなことがきっかけで状況が一変する可能性が大いにあるため今後も注視していきたいと思います。

 


 

■更新履歴

・2022年02月25日 初版公開